長期的に患者さんの健康を考えて、心掛けていることは何ですか?
“自分でケアできる”と知ってもらうこと。どうしても「歯医者さんにキレイにしてもらおう」という方が多いのですが、自分でケアできないと長期的に歯を守っていくのは難しい。なので、歯に意識が向くような声かけをしています。
「どこに一番汚れがたまっていると思いますか?」
「どのアイテムなら、そこの汚れを落とせると思いますか?」
そうやって一緒に考えながらTBIを行なうと、回数を重ねるごとに心を開いてくれて、歯への意識も変わっていくんです。
“自分でケアできる”とわかると、患者さんはどう変わりますか?
松居さんの場合は、セルフケアでキレイにできるんだと実感されてから、使うアイテムがどんどん増えました。歯磨きの時間が長くなったと教えてくれましたし、最近は「もう歯磨きするのが趣味です!」とまで言ってくれて(笑)。
他の方も、反応が前向きになりましたね。部屋に入ってきたときの表情が明るくなって「今日頑張ってきました!」「自信あります」と言ってくれたり。「歯医者さんで治せばいいと思っていたけど、違ったんですね。根本的に考え方が変わりました」とおっしゃってくれた方もいました。
患者さんのモチベーションが良い方に変わって、お口もキレイになると、毎回染め出しするのが楽しいです! 患者さんも私も気持ちが上がっていって、お互いによかったなと思います。
患者さんも歯科衛生士も楽しいのは理想的ですね。関係性も変わりますか?
患者さん一人ひとりと向き合うことで、私を信頼してくださるようになった気がします。「実は歯並びを気にしていたけど、もう歳だからキレイにするのは無理だと思っていた」など、本音で話してくれる方が増えました。深い関係性の患者さんを増やしたかったので、それも叶えることができてうれしいです。
今後やっていきたいことはありますか。
今頑張ってケアしている患者さんも、気持ちが落ちてしまうときがあると思います。そういうときに適切なアドバイスをして、なるべく今の状態を維持できるようにしたい。そうして、むし歯になってから治すのではなく、健康な人が継続的に通える医院にしていきたいです。