むし歯の原因にならない、天然の甘味料キシリトール。1970年代にフィンランドで歯の健康に役立てるための研究が始まり、今では世界で広く知られるようになりました。
タフトくらぶでももっとキシリトールについて学ぶべく、定期的にフィンランド研修に参加している歯科衛生士の北山広子さんにインタビュー! キシリトールにどんな歴史があるのか、フィンランドではどんなふうに活用されているのか。3回にわたってご紹介します。
北山歯科医院で歯科衛生士として働くかたわら、日本フィンランドむし歯予防研究会にも所属。これまで20回以上フィンランド研修に参加してきました。最近は歯科衛生士学校でキシリトールに関する授業も行なっています。
Q.そもそも北山さんがキシリトールに興味を持ったきっかけは?
30年近く前にフィンランドに行った知り合いのドクターから、お土産でキシリトールをもらったんです。そのとき「むし歯が予防できるんだよ」と教わり、「こんなに甘くておいしいのに!?」と感激しました。
歯科衛生士って、患者さんに「甘いものを食べちゃダメです」「食べる回数を減らしましょう」とダメダメ言わないといけないときがあるじゃないですか。それってけっこう負担ですよね。でも「キシリトールを取り入れてください」だったら、甘くておいしいから患者さんは楽しいし、歯科衛生士もイヤなことを言わなくてすむ。患者さんにとっても、歯科衛生士にとっても、すごくいいアイテムだと思いました。
Q.フィンランドで行なわれた、キシリトールの重要な研究について教えてください。
1970年代、生物学者のカウコ・マキネン教授がトゥルク市民に協力してもらい、「食事の砂糖をキシリトールに置き換えたらどうなるか」を調査しました。すると、むし歯になる人が激減!
さらにその後、使用している甘味料をキシリトールに置き換えなくても、キシリトール入りのガムを噛むことで同等の予防ができることも判明しました。
1975年、マキネン教授がこれらの研究成果を発表。キシリトールは世界中で知られるようになったんです。
Q.その後、フィンランドでキシリトールを食べることが習慣になった理由は?
以前は、キシリトールを食べていたのはマキネン教授が研究を行なっていたトゥルク市民など一部地域の方だけでした。
国民全体に浸透していったのは、1990年代に行なわれた“Smart Habitキャンペーン”がきっかけ。当時DMFTが1.2ほどだったにもかかわらず、「もっとむし歯を減らそう!」と歯科会がキシリトール教育に力を入れ始めたんです。
具体的には歯科衛生士が学校に行き、対象となる生徒だけではなく、先生、学校に関わる人、父兄、地域住民に説明、教育を行ないました。
そのおかげで“毎日キシリトールを食べること”が少しずつ国民の習慣になっていったんです。今ではホテルの部屋やフロントにも置いてあるし、お店に行けばたくさんの商品が並んでいるんですよ!
次回は、現在フィンランドでどのようにキシリトールが使われているか具体例をご紹介します。お楽しみに!