編集部員レポート/編集部員H
「ハイドロキシアパタイトに、世界からこれほど熱い視線が集まったのは初めてです!」興奮気味に話してくれたのは、株式会社サンギの研究員 宮坂亮介さん。2025年6月、国際歯科研究学会(以下、IADR)の学術大会でポスター発表を行なったところ、非常に大きな反応があったといいます。歯科界の最前線で宮坂さんがどんな体験をし、何を感じたのか。貴重なお話を、3回に分けてお届けします。
最新情報が集まる歯科最高峰の国際学会
これまで国内外でハイドロキシアパタイトに関する発表を行なってきましたが、今回ほど会場から寄せられる期待の高まりを感じたことはありません。ちょっと大げさかもしれませんが、「歯科の潮流が変わりつつある」という手ごたえをひしひしと感じました。今回は、その雰囲気を少しでもお伝えできたらと思います。
IADRは世界最大規模の学術団体です。その学術大会には世界各国から5000名近くの研究者、臨床医、企業の担当者などが参加。最新の技術・知見に関する発表や活発な議論が行なわれます。扱うテーマは基礎研究から臨床研究まで幅広く、歯科においてとても大きな影響力を持つ学会です。
もちろん発表数も膨大。口頭発表とポスター発表、あわせて3000件ほどにもなるんです。ものすごい量の最新情報が報告され、ここから新しい歯科のトレンドが発信されていることがよくわかりました。
会場はとてもフランクな空気が流れていて、誰もが気軽に議論できる場になっているのが特長です。たとえば若手が年配の方に質問するって、なかなか勇気がいりますよね。でも、ここでは学生さんも気後れせずどんどん質問していました。あちこちで行なわれる活発なやり取りに影響されて、英語があまり得意ではない私も気がついたら積極的に。同行した人から、「宮坂さんがこんなにアグレッシブだとは思わなかった!」と言われるほどコミュニケーションを取っていました。
次回は、宮坂さんが行なった研究発表の詳細をお伝えします。お楽しみに!