患者さんにセルフケアアイテムの必要性を伝えてもなかなか響かない、使い方を説明しても家でやってもらえない。そんな経験はありませんか? この記事では、患者さんの行動を変えるためのヒントをご紹介します。
行動を起こすための最初のハードルは?
そもそも、人が行動を起こすときには“2つのハードル”があると言われています。
1つ目のハードルはやりたいという気持ちになること。2つ目が実際にやる能力があること。この2つのハードルを越えると、行動につながります。
たとえば買い物の場合は、まず「買いたい」と思うこと、さらに買う能力があること。2つのハードルを越えると、購入という行動に至ります。
これは、セルフケアも同じ! 患者さんにお家でフロスやワンタフトブラシに取り組んでもらうには、まず「やりたい」と思ってもらうことが重要です。
では、「やりたい」と思ってもらうにはどうしたらいいのか?
ここで有効なのが、患者さんに自分の口腔内でアイテムを試してもらう(アイテムのよさを体感してもらう)ことです。
患者さんは口腔内でアイテムを試すことで
・口頭の説明ではわからなかった感覚を理解できる
・ポジティブな変化(ツルツルになったなど)を実感しやすい
その結果、「このアイテムを使ってみたい」「家でもやってみたい」という気持ちになりやすいのです。
体感アプローチ活用例
こうした体感を活用したアプローチを行なっている、歯科衛生士・Gさんの声をご紹介します。
Gさんは、タフトくらぶで行なわれた“歯科衛生士が自分の口腔内でアイテムを体感する企画(半分磨き体験※)”に参加。セルフケアアイテムの必要性を口頭で説明するのではなく、患者さんの口腔内でよさを体感してもらうTBIに変えたそうです。
※半分磨き体験について詳しくは「セルフケアをやってみたくなる!? 『半分磨き体験』レポート」をご覧ください。
歯ブラシ、歯間ブラシ、ワンタフトブラシをよく提案しています。ワンタフトブラシは使うとすぐによさを実感できるので、その場でやってもらうようにしました。
「下の内側を磨くとツルツルになるのがわかりますよ」と伝えると、実際に当ててみて「あ、そうね~!」と歯面の違いを体感してくれる方が多いです。
1~2ヶ月後にリコールで来院された方の中には、「使いやすいわね」「今これ使っているよ」とうれしそうに教えてくれる方も。実際に口腔内で試してもらうことで、反応が明らかに変わったと感じます。
患者さんの行動を変えたい方、“体感”を活かしたアプローチを取り入れてみませんか?
小林裕司(2009).『「買いたい!」のスイッチを押す方法 消費者の心と行動を読み解く』.角川書店,193p.