プラークの厚みは3日目から急増!
フロスは、歯肉縁上・縁下の細菌を除去することができるアイテム。歯肉炎や歯周炎を防ぎ、歯ぐきの健康と若々しさを保つことにつながります。では、なぜ「頻度高く」ではなく「1日1回やるべき」なのか。その理由は“細菌の増殖力”にありました。
下記をご覧ください。こちらは、プラークの形成速度を観察した実験結果です。
実験では被験者に歯磨きをせずに過ごしてもらい、歯面に付着したプラークがどのように変化していくかを観察しました。
すると、2日目はうっすらとしていたプラークの厚みが3日目になると急激に増加。さらに4日目には3日目の倍近くにまで増え、エナメル質に密着している部分はかなり凝縮された細菌の塊になっているのがわかります。
細菌の塊を放っておくと……。
さらにもう1つ頭に入れておきたいのが、口腔内の環境です。
湿度も温度も高い口の中は、細菌にとって増殖しやすい絶好の場所。その環境下でフロスによるケアを週に1〜2回でとどめてしまうと、歯ブラシが届かない歯肉縁下のプラークはどんどん除去しづらい形態へと変化していきます。
取りきれないまま放っている間に細菌同士が作用し合い、ガンコなバイオフィルムに成長。「気が向いたときにフロスをすればいい」と油断していると、あっという間に歯肉炎・歯周炎を招きかねません。毎日フロスをしたほうがよいのも納得ですよね。
患者さんにはどう伝える?
これらを踏まえ、患者さんにフロスの提案をするときは「1日1回」と伝えましょう。
・プラークの厚みが増す前に
・厄介な細菌が出現する前に
と理由づけるのがポイントです。
また、プラークの厚みが増える状態をなかなかイメージしづらい患者さんには、キッチンの排水口にたまる汚れをたとえ話として付け加えるのも効果的です。
「歯に付着するプラーク」と「排水口に付くぬめり」はどちらも細菌の塊が集まってできたバイオフィルム。何日も汚れを放っておくと力を入れてこすったり強い洗剤を使わなければならず大変ですが、毎日きちんと落としておけばササッと簡単に落とせます。
プラークの厚みが増す前に除去すれば、歯周炎や歯肉炎になる心配からも解放されます。根拠のある「1日1回」で、患者さんに毎日を快適に過ごしてもらいませんか?
- プラークは3日で厚みが急激に増加
- 湿度と温度の高い口腔内で、細菌は日に日に増殖する
- 「フロスは1日1回」には根拠がある
ペール・アクセルソン.2009年.『本当のPMTC その意味と価値』.株式会社オーラルケア.