編集部員レポート/編集部H
前回のコラムに続き、今回は知覚過敏のメカニズムと原因を詳しく解説します。
まずはこちらをご覧ください。
これは前回もご紹介した、知覚過敏症状のある患者さん・歯科医院スタッフを対象にしたモニターアンケートの一部。ご自身の知覚過敏症状について「思い当たる原因は?」という質問をしたところ、多くの方が「歯肉退縮」と回答されました。

さらに興味深かったのが、次の質問です。「知覚過敏の症状に対して、今までどんな対策をしてきたか?」と尋ねたところ、「知覚過敏用の歯みがき剤を使っているもしくは使っていた」という方が大多数。「特に何もしていない」という方も42名いらっしゃいました。

つまり知覚過敏は、原因がわかっていても対策をしなかったり、一時的な対処で終わっていたりするケースが多いようです。
しかし知覚過敏のメカニズムと原因を知れば、適切な対応が取れて根本的な解決を目指すことができます。
なぜしみるの? 知覚過敏のメカニズム
知覚過敏の正式名称は、「象牙質知覚過敏症」です。
象牙質には「象牙細管」という無数の小さな穴があり、トンネルのようになっていて歯の神経にまでつながっています。通常、象牙質はエナメル質やセメント質で覆われているので、象牙細管がむき出しになることはありません。
しかし何らかの原因で象牙質が露出している場合、歯ブラシや冷たいものなどの刺激が加わると、象牙細管を通して刺激が神経に到達。そのときにしみたり痛みが起こったりすると考えられています。この一過性の疼痛が知覚過敏です。

象牙質が露出してしまう原因は、以下のようなものがあります。
・不良なプラークコントロール
・歯周病などによる歯肉退縮
・強いブラッシングによる摩耗
・アブフラクション
・ブラキシズム
・酸蝕
・矯正治療中の歯の移動
歯みがき剤や抑制剤で対処する前に、象牙質が露出してしまった原因をつきとめ、その原因を取り除くことが大切です。
象牙細管を攻略する!
知覚過敏症状を抑えるには、露出した象牙細管を埋めることも重要です。象牙細管の大きさは、1~3㎛。これより小さいサイズだと象牙細管に入り込むことができます。

次回のコラムでは、象牙細管を埋めることができる医療機器 知覚過敏抑制材料『アパシールド』について紹介します。お楽しみに!