
フロスまでやると時間がかかるから……
スーパーで週3回働いている60代の女性大野さん。2人のお子さんはどちらも成人して家を出ており、今の楽しみは週末夫と出かけることだと言います。医院には半年前にむし歯の治療で来院。以来治療と並行してTBIを行ない、ワンタフトブラシを使えるようになっていました。しかし前回提案したフロスは、「ほとんどやっていない」とのこと。理由をうかがい、どうやったらできるかを考えました。
この方は再治療したくないとの想いが強く、熱心に通っていらっしゃいます。お話を聞いていても、フロスをやりたくないわけじゃないんだということが伝わってきました。そこで、少しずつ慣れていけるような方法を提案してみました。
「確かに、最初から全部は大変ですよね」
「まずは一番大事な奥歯だけやるようにするのはどうですか?」
「奥歯への通し方だけ、今日は一緒に練習しましょうか」
大野さんは、「全部完ぺきにやらなきゃ!」というのがプレッシャーだったのかもしれません。自分のペースで少しずつやればいいとわかって、通し方の練習をするときも前向きでした。もちろん今後は全部の歯に通してほしいけど、患者さんがやろうと思えることが一番大事なんだなーと改めて感じています。
「鏡を見てるけど、糸がどこにあるかわからなくなって時間がかかっちゃうのよ~」
「小さい歯ブラシ(ワンタフト)を使うようになったばっかりでしょ。やることがまた増えてちょっと大変ね」
「ちゃんとケアはしたいんだけど!」