リスク

矯正期間中のリスクとその改善アイデアとは?

全顎的にリスクが高まる矯正期間中。患者さんへのセルフケアはどのように提案していますか? 今回は、おさえておきたいリスクの要因とその改善アイデアをご紹介します。

リスクが高まる理由

①細菌がたまりやすい環境

装置を入れると付着できる面が増えるため、細菌が口腔内にたまりやすくなります。また歯ブラシが届きにくい部位が多かったり、唾液の流れが悪くなったりして細菌が落としにくい。結果的に、プラークが形成されやすいのです。

こちらは、矯正前、矯正中、矯正後、それぞれの口腔内細菌の数を測ったデータ。装置を入れている間の細菌数は、入れる前の約4倍に増えているのがわかります。

生えて間もない状態 成熟した状態

②心理的ストレスがかかりやすい

装置が粘膜にあたって口内炎ができやすく、歯磨きの時間は苦痛になりがち。また、粘着質の高いものはダメといった食事制限や、矯正前よりしっかりケアしなければといったプレッシャーもあります。
そもそも親に言われて矯正を始めた場合はやらされている感もあり、矯正期間中は口に対してネガティブな気持ちになりがちです。

③リスク部位が変動する

歯が移動している矯正期間中は、リスク部位も刻々と変わっています。よりその時々に合わせたケアが必要です。

改善アイデア

①細菌を“落とす”以外の方法を提案

健康な口腔内を保つには、ブラッシングやフロスを使った細菌の除去が欠かせません。ですが、ひたすら“落とすこと”に特化するのは、口腔内の環境的にも気持ち的にも難しいですよね。
そこでおすすめなのは、キシリトールやハイドロキシアパタイトを活用して「細菌を落としやすい環境」をつくっていくこと。患者さんに負担をかけず細菌を減らし、また「汚れをとらなきゃ」というプレッシャーからも解放することができます。

②装置の周りをケアしやすいアイテムを選ぶ

ブラケット周りやワイヤーの下を磨けるものを選びましょう。毛先が長いもの、ヘッドがコンパクト&スリムなアイテムがおすすめです。

③矯正する意味を理解してもらう

親の意向で始めた場合は、まず矯正する意義を本人に理解してもらうことが大切。なんで自分は矯正しているのか? 矯正のメリットを口頭・ビジュアルで伝え、イメージを膨らませてもらいましょう。理解ができてはじめて、「しっかりケアしたほうがいいんだな」という気持ちも育まれます。

④先を見据えたサポート

歯科衛生士は先生と治療計画を共有し、どう歯を動かしていく予定か把握しておきましょう。今プラークがたまっている部位だけでなく、新たにリスクが高まる可能性があるのはどこか、先を見据えた提案をすることも大切です。

矯正治療期間中はむし歯・歯周病リスクが高まる一方で、定期的な来院してもらえる、ケアのしにくさから歯への意識がアップするといったメリットもあります。健康で整った歯を獲得するための準備期間だけではもったいない! 「歯を大切にしたい」という気持ちを引き出すチャンスにしていきたいですね。

本日のまとめ

  • 矯正期間中は細菌がたまりやすく、落としにくい
  • プラーク除去の手法だけでなく、心のケアにも目を向ける
  • 変化し続ける環境に合わせて、先を見据えたケアを意識する

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予防
2020.03.19

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