本当のPMTC

予防の父・アクセルソン博士の言葉から学ぶ「リスク部位に注目すべき理由」

スウェーデン・カールスタッド市。ここで開業医を営んでいたアクセルソン博士は、ある研究を通して“町の人々が30年間で失った歯の平均本数を0.6本におさえる”という偉業を成し遂げました。「予防の父」と呼ばれる所以です。彼の言葉から、「リスク部位」に注目する理由をおさらいしていきます。(研究について詳しくはこちら

「毎日雨が降る11月のロンドンにレインコートを持っていくことは意味があります。でも、サハラ砂漠への旅行に持っていっても役に立ちません。3週間いたとしても雨は降らないのですから。予防もそれと同じ。キーリスクに応じたセルフケアとPMTCを行なってこそ、本当の意味で歯を守ることができるのです。」

3列ブラシで十分キレイに磨けている歯面に、フロスやワンタフトブラシを用いる意味はありません。汚れが落ちにくい場所にこそ、特別な道具を使うべきなのです。

レインコートはいつ・どこで使う?

歯や歯面などの口腔内の状況はもちろん、喫煙や糖尿病歴の有無、年齢など。むし歯や歯周病のリスクファクターがいくつもあるなかで、その人にとって何が一番の原因なのか見極めなければいけません。そのうえで、リスクに合わせたケアをします。レインコートは、必要な時に必要なところで適切に使うことが大切です。

PMTCもセルフケアも、優先的すべきはリスク部位

「みなさんがPMTCを行なうとき。ラバーカップを使う前に、リスクの高い小臼歯や大臼歯の隣接面の清掃を行なっている方はどのくらいいますか? 患者さんにリスク部位から磨くセルフケアを指導するのと同じように、PMTCもレインコートの必要な小臼歯や大臼歯の隣接面から先に行なうべきではないでしょうか。」

一通りラバーカップで磨いた後に隣接面をさっとフロスで通すだけ。そんなPMTCを行なっていませんか? PMTCもセルフケアと同じように、リスク部位を優先すべきです。チップやフロスを使って最初にリスク部位をケアすることが、健康な歯を守ることにつながります。

“本当に歯を守れる予防”を、患者さんは求めている

「アメリカで長期研究をすると、3年で10%がドロップアウトするといわれています。ところが私の行なった研究では、30年で10%でした。しかも高齢により死亡した人と他県に移住した人のみです。これは何を意味しているのか。それはこの研究が“患者さんに受け入れられるもの”だということです。キーリスクに応じた予防のケアを患者さんは求めている。「受け続けたい」と思っていることを示しているのではないでしょうか。」

患者さんは新しいことを嫌がる、面倒くさがる。そんな風に思っていませんか? しかしたとえ新しいことでもそれで何を達成できるのかがわかれば、患者さんは進んで行ないます。リスク部位をケアすることは、生涯健康な歯を守り続けることにつながる。そしてそれは実証されている。ぜひ、そのことを伝えてみてください。

ペール・アクセルソン博士

Prof. Axelsson D.D.S.,ph.D.
ペール・アクセルソン博士

元スウェーデン・イエテボリ大学歯学部教授。PMTCの生みの親。1960年に王立ストックホルム大学歯学部卒業後、王立イエテボリ大学歯周病学教室にてリンデ教授に師事し、1978年にカールスタッド市歯科保健センター所長と歯科衛生士学校校長を兼務。スウェーデンの予防歯科を牽引してきた。

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2019.10.03

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