コミュニケーション

患者さんのセルフケアを習慣化するヒント集 ~提案編~

人は生きていく限り、口腔内の細菌との関わり合いはずっと続いていきます。そのため患者さん自身で取り除くことが大切です。だからこそ歯科衛生士は日々、セルフケアに取り組む重要性を患者さんに伝えています。しかし、あちこちから「なかなか続けてもらえなくて……」という声が。
そこで今回は、提案の際に取り入れると効果的な工夫や声がけをご紹介。患者さんのモチベーションを高めるきっかけづくりとして、ぜひ参考にしてみてください。

提案時に取り入れたいひと工夫

人は常に変わり続けるものです。だからこそ歯科衛生士は患者さんの変化を見極め、そのときどきにふさわしい関わり方をしていくことが欠かせません。悪化しているところがあれば、要因を探りましょう。反対に良くなったところがあれば、小さなことでもぜひ患者さんに共有してください。「セルフケアを続けよう!」という意欲につながります。

未来のイメージを広げる問いかけをする

セルフケアを続けたらどうなるか。こちらからの問いかけを通じて、患者さんにその姿を想像してもらうことが習慣化への第一歩です。「こんなふうになりたい」「きっと今より良くなる」というイメージが患者さんのモチベーションをアップさせ、行動を変えていくきっかけになります。

・「セルフケアを続けたら、お口がどんなふうに変わると思いますか?」
・(カリオグラムを見ながら)「毎日セルフケアをしたら、どれくらいむし歯のリスクが下がりそうですか?」

+One Point!
質問をする前に院内の症例を紹介したり、菌減少パネル、カリオグラムなどを用いると、患者さんはより具体的に未来をイメージしやすくなります。積極的に活用しましょう。

変化する目安を伝える

たとえばダイエットやスキンケアで、何をどれくらいやったらどう変わるのか。それがわからないまま取り組むのは、なかなかやる気が起きにくいですよね。
セルフケアも同じです。やるべきことと変化のサインがわかると、「目標に向かってがんばろう!」という気持ちが患者さんの中で高まります。

・「このアイテムを使うと、だいたい○ヶ月くらいで△△を感じられると思います」
・「このセルフケアを始めて1週間ぐらいで変わった実感を持つ人が多いですね」

+One Point!
もし、やっているのにいつまでも変化が見られない場合はどこかに問題があるシグナルです。患者さんの取り組み方を今一度確認したり、ライフスタイルに変化がなかったかヒアリングしてみましょう。

セルフケアに取り組むタイミングを一緒に考え、決める

「いつでもいいですよ」「やってみてくださいね」という言葉だけでは具体性がないため、患者さんは行動に移せません。暮らしの中でどんなときなら新しいことに取り組めるのか、まず患者さん自身に考えてもらう時間を設けましょう。それを踏まえてセルフケアを行なうタイミングを決めるのがおすすめです。

・「1日の中で、どんなタイミングだったらセルフケアがやりやすいですか?」
・「夜は歯磨きを欠かさずされているんですね。では、その歯磨きの前にフロスをすることはできそうですか?」
(患者さんができると答えたら)
「じゃあ、毎晩歯磨きの前にフロスをするよう、チャレンジしてみてください!」

+One Point!
新しい習慣を定着しやすくするコツは、患者さんがすでに行なっている習慣の直前に取り入れること(上記、2番目の声がけ例参照)。もし取り組むタイミングに悩む患者さんがいたら「何か毎日続けていることはありますか?」と、すでにできている習慣を引き出してみましょう。それを手がかりに、できそうなタイミングを探ってください。

アイテムは、次の来院までなくならない数量を提案する

患者さんがセルフケアのため新しくアイテムを取り入れてくれても、次の来院前になくなってしまう数量では、せっかく定着しはじめた習慣も水の泡になってしまいます。そんな残念なことにならないためにもアイテムはお試しではなく、次の来院までカバーできる量や数を提案することもポイントです。

・「これは1袋だいたい1ヶ月分なんです。2ヶ月後の来院まで毎日取り入れられるよう、2袋あると安心ですよ」

+One Point!
味にバリエーションがあるものは、違う味の購入を提案するのもおすすめです。味に飽きることなく続けてもらいやすくなります。

声がけは患者さんが口腔内の変化を感じているときがベスト! むし歯の治療が終わった直後や、TBI、PMTCなどを行なったときがチャンスです。ぜひその機会を逃さないようにしてください。
提案後のフォローについては継続編にまとめました。ぜひそちらもお見逃しなく!

予防
2020.07.16

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