細菌がたまりやすい上顎の臼歯部隣接面。フロスを使った定期的なケアが欠かせません。今回は、患者さんとフロスの練習をする際のポイントをまとめました。
誰に | フロスを使ったことがない方、正しい使い方を知らない方、上顎臼歯部に通すのが難しいと感じている方 |
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いつ | フロス提案時 |
アイテム | フロス、鏡、(あれば顎模型、口腔内写真) |
ポイント① 初心者にオススメのフロスを選ぶ
- 繊維に色が付いているもの(どこに通しているのかわかりやすい)
- ワックス付きですべりのよいもの(引っかからずに隣接面に通せる)
※繊維が細いものは指に食い込んで痛いかもしれないので、初めは避けたほうが無難です。
ポイント② 自宅に近い環境を用意
- 照明の明るさや鏡の位置を患者さんの自宅に近づける(歯科医院ではできたのに家でやろうとしたらできない、というのを避けるため)
- 歯科衛生士は患者さんの横に座り、同じ向きで手の動かし方を見せる(正面に座ると、手が逆になってわかりにくいため)
《この環境では難しかった場合》
どこを改善したらやりやすいか一緒に考える
部屋を明るくする? 鏡の位置を高くする? など
ポイント③ 口腔内がどうなっているか知ってもらう
- 口腔内写真や顎模型を活用し、歯の形や生えている向きを理解してもらう
ポイント④ フロスの長さを適切に!
- 中指と中指の間のフロスは長すぎず短すぎず、目安は10~15㎝ほど。両手の人差し指をまっすぐ伸ばせる長さが必要
- 人差し指と人差し指の間は2~3㎝くらい(※PMTCは1~2㎝)
ポイント⑤ フロスはピンと張ったまま
- 人差し指の間のフロスは床と並行にして、ピンと張ったまま口の中へ
- 入れるのは両人差し指2本のみ
- 歯間部を見つけられない場合は、頬側の人差し指で頬粘膜を排除しながら探す
- 口を大きく開けるのが難しい場合も、少し閉じ気味にして人差し指で頬粘膜を排除し、歯の位置を目視できる状態にしてから練習する
上顎臼歯部にフロスを通せるようになれば、他の隣接面はとっても簡単! これらのポイントをおさえて、楽しく練習しましょう♪
上顎臼歯部にフロスを通す練習をすると…
- リスクの高い部位がケアできるようになり、むし歯や歯周病のリスクが下がる
- フロスへのハードルが下がり、他の隣接面もケアできるようになる