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レベル ★★

再来した患者さんの口腔内を診ると、さまざまな気づきがあると思います。それをどう伝えるか。迷う場面がときにはあるのではないでしょうか。
そんなとき、“予防の主役は患者さんであり歯科衛生士はそのサポーター”ということをぜひ思い出してください。どんなときも「患者さんの気づき」を中心としたコミュニケーションを心がけましょう。

誰に どなたでも
いつ 初診、メインテナンス時
アイテム なし

人は常に変わり続けるものです。だからこそ歯科衛生士は患者さんの変化を見極め、そのときどきにふさわしい関わり方をしていくことが欠かせません。悪化しているところがあれば、要因を探りましょう。反対に良くなったところがあれば、小さなことでもぜひ患者さんに共有してください。それが「セルフケアを続けよう!」という意欲につながります。

患者さんの変化に注目した対話例

(定期的なメインテナンスを重ねた上での質問)

今回の染め出しの結果は前回と比べてどうですか?

前より赤く染まっていますね。

何か思い当たることはありますか? 生活のリズムが変わったとか。

仕事が忙しくなった、というのはありますね。帰宅時間が遅くなったら、ワンタフトブラシで磨くのがちょっと面倒になっちゃって……。ここ最近、歯磨きはずっと3列ブラシだけですませていました。眠くて磨き方も雑になっていたかもしれません。

仕事が忙しくなってしまったんですね。確かに眠い中で丁寧に歯磨きするのは難しいと思います。忙しい状態はまだしばらく続きそうですか?

そうですね。まだちょっと続く見込みです。

忙しくなると歯磨きの時間もなかなか取れませんし、口腔内にいる細菌のバランスも崩れがちになります。そこでお忙しい間に取り組むセルフケアとしてちょうどいい方法があるんですけど、そのお話をしてもいいですか?

ぜひ伺いたいです。

変化に敏感になるコツは、患者さん本人に関心を持つこと。口腔内だけに注目してしまうと、気づける範囲が狭くなってしまいます。
また、就職・出産など人生の大きな節目を迎えることで、価値観などが変化する人もいます。患者さんの様子を踏まえ、必要と感じたら「セルフケア意識、どう高める??」のstep1~3を参考に改めて予防を組み立てていきましょう。

POINT

患者さんの変化に注目したコミュニケーションを重ねていくと……

  • 「しっかり診てもらえている」という信頼感が患者さんの中に芽生え、継続的な来院につながる
  • 患者さん自身の手で口腔内を守っていく習慣が定着する